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水平構面(床構面)補強時のアスペクト比(辺長比)について考える

  • info851527
  • 5月4日
  • 読了時間: 2分

更新日:5月11日

木造建築でも吹抜けや勾配天井など大空間を演出する間取りが増えています。

昨今は耐震等級2以上がスタンダードとなっており、そこで問題になってくるのは水平構面(床構面)の剛性不足です。今回は水平構面(床構面)補強時のアスペクト比(辺長比)について考えます。

下図は水平構面(床構面)の補強例となります。皆さんは設計時にアスペクト比(辺長比)を気にしているでしょうか。この例では幅:3.64(m)、奥行:0.6(m)なのでアスペクト比(辺長比)≒1:6となります。ここで思い出してほしいのは、面材耐力壁のアスペクト比(辺長比)です。公益財団法人 日本住宅・木材技術センター「木造軸組工法住宅の許容応力度設計(2017年版)」には面材耐力壁の場合、幅:高さの比は1:5以下と定めています。耐力壁と同様に考えた場合、幅:3.64(m)となるので×1/5=奥行:0.728(m)

以上必要となります。下の図は0.6(m)しかないので適用不可ということになります。

水平構面(床構面)の剛性不足により床合板補強をするケース
水平構面(床構面)の剛性不足により床合板補強をするケース

通常、耐力壁の耐力試験モデルは片持ちモデルとし変形角1/150での弾性域でせん断耐力(壁倍率)を決定しています。一方、水平構面は両端ピンモデルとなるため、同じ変形角で考えた場合、アスペクト比(辺長比)1:5以上でも可能ではないかと考えます。下図に拘束条件による座屈長さ(変形量)を掲載します。


拘束条件による座屈長さ
拘束条件による座屈長さ
耐力壁の耐力壁試験モデル図
耐力壁の耐力試験モデル

左図は耐力壁の耐力試験モデルを簡単に図示したものです。耐力試験では土台を鉄骨架台と固定。柱脚と土台はホールダウン金物で固定しています。柱頭部はロードセル(加力装置)で固定されています。いわば柱頭部は水平移動するため、上記、水平移動自由(柱頭部が水平移動する)ピン-固定であるといえるのではないでしょうか。






水平構面(床構面)の補強時には上記のような考えのもと、辺長比(アスペクト比)を決めていけば良いのでは・・・と考えますがどうでしょうか。

 
 
 

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